今回はリビアの貿易について整理します。
リビアの基本情報
リビアは地中海に接する北アフリカの国です。
リビアの人口は2016年時点で約600万人とアフリカでは平均よりも人口の少ない国です。
人口密度は3.6人/km2とアフリカでは下から2番目に低い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で14,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3倍近くあり、アフリカでは7番目に一人当たりGDPが高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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貿易収支の推移
早速ですが、以下は1970年以降におけるリビアのGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアになります。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
リビアは1970年代は常時貿易黒字でしたが、1980年代から2000年にかけて貿易黒字はほぼ解消しています。
その後再び貿易黒字化しますが、2010年代では大幅な貿易赤字に転じています。
輸出の構成
以下は2007年から2018年までのリビアの輸出品の構成です。なお、2011-2015年についてはデータが取得できませんでした。
輸出品の構成は9割以上が2.鉱物が占めています。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。
輸出の大部分を占める2.鉱物はほぼ27.石油石炭天然ガス(ここでは主に石油)です。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
輸入の構成
一方、輸入の構成については以下のようになっています。
輸入の構成は、おおよそ1.農林水産品・食料品、2.鉱物、3.化学、8.機械が大部分を占めています。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
輸入品の具体的な商品を見ると、27.石油石炭天然ガスが15%強であり、その他にも84.一般機械、85.電気機械、87.自動車といった機械系の輸入が多くなっています。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
貿易相手国の構成
次に貿易相手国を確認します。以下は2018年の貿易相手シェアを表します。
最大の輸出相手国はイタリアで輸出全体の34%に相当します。その後は中国、スペイン、フランス、UAEと続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の87%占めています。
出所:UN comtrade.
最大の輸入相手国はトルコで輸入全体の11%に相当します。その後はUAE、中国、イタリア、スペインと続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の67%占めています。
さいごに
リビアの貿易の特徴は以下のとおりです。
- リビアは1970年代は貿易黒字、1980年代から2000年にかけては貿易均衡、2000年代は再度貿易黒字、2010年代では大幅な貿易赤字
- 主な輸出品は石油石炭天然ガス
- 最大の輸出相手国はイタリア、輸入相手国はトルコ
以上となります。引き続き他の国についても調べています。