今回はニジェールの貿易について整理します。
ニジェールの基本情報
ニジェールはアフリカ中央部に位置しており、7か国に囲まれる内陸の国です。
ニジェールの人口は2016年時点で2,100万人とアフリカでは比較的人口の多い国です。
一方、人口密度は16人/km2とアフリカ平均40人/km2の半分以下の人口密度の高い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1/5程度であり、アフリカでは5番目に低い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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貿易収支の推移
早速ですが、以下は1970年以降のGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアになります。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
ニジェールは経常的に貿易赤字構造となっており、1980年代後半から貿易赤字は拡大傾向にあります。
直近ではGDP比で-16%まで拡大しています。
輸出の構成
以下は1995年から2020年までの輸出品構成です。
主な輸出品の大半は1. 農林水産品・食料品と2.鉱物であり、これらで全体の9割近くを占めています。
また、直近では10.宝石・貴金属・美術品のシェアが拡大しています。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。
1995年以降主な26.鉱石、スラブ及び灰(具体的にはウラン鉱物)が輸出の大半を占めていましたが、2010年代同伴には71.宝石・貴金属(具体的には金・ゴールド)が最大となっています。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
輸入の構成
一方、輸入の構成については以下のようになっています。
輸入構造に大きな変化はなく、直近では1.農林水産品・食料品、8.機械が多くを占めます。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
輸入品の具体的な商品を見ると、10.穀物や84.一般機械がが多くを占めていますが、2015年には88.航空機が最大の輸入品となっています。
また、2010年代後半には93.武器も輸入が拡大してます。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
貿易相手国の構成
次に貿易相手国を確認します。以下は2020年の貿易相手シェアを表します。
最大の輸出相手国は不詳となっており輸出全体の50%に相当します。その後はフランス、マリと続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の95%占めています。
出所:UN comtrade.
最大の輸入相手国はフランスで輸入全体の22%に相当します。その後は中国、米国と続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の77%占めています。
さいごに
ニジェールの貿易の特徴は以下のとおりです。
- 経常的に貿易赤字構造となっており、近年ではGDP比で16%の貿易赤字
- 主な輸出品はウラン鉱、金・ゴールド
- 最大の貿易相手国は輸出は不詳であり、輸入はフランス
以上となります。引き続き他の国についても調べています。