今回は赤道ギニアの小学校教育(初等教育)に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
赤道ギニアの基本情報
赤道ギニアは、国土のうち9割がアフリカ大陸にあり、残りのは南太西洋のギニア湾に浮かぶ島々から構成されています。
首都マラボは大陸ではなくビオコ島にあります。
赤道ギニアの人口は2016年時点で約90万人とアフリカでは5番目に人口の少ない国です。
人口密度は31人/km2とアフリカ平均の40人/km2の8割程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で37,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7倍以上あり、アフリカではもっとも高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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小学校入学率と私立生徒比率
ここでは、赤道ギニアにおける小学校の入学率と私立学生の比率について扱います。
以下のグラフはそれらの時系列推移を表しています。
入学率については小学校へ入学する年齢の児童に占める実際に入学した比率を表しており、1990年代では65%ほどであった入学率は直近では40%ほどまで悪化しています。
一方、私立学校に入学する生徒は1990年代では10%ほどでしたが、直近では60%ほどまで上昇しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
なお、以下では小学校における私立学生の比率のアフリカ諸国におけるランキングを表しており、赤道ギニアは58.7%で53か国中1位となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校における生徒-教師比率
次に生徒と教師の比率について扱います。
以下の図はアフリカ諸国の小学校における生徒と教師の比率を表しています。
なお、参考国である日本、米国、中国はおよそ教師1人につき15人程度の生徒となっています。
一方、赤道ギニアについては、23.2人であり、アフリカ諸国53国中7位と上位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
以下では赤道ギニアの小学校における生徒と教師の比率の時系列の推移を表しています。
1970年代では教師一人当たり60人ほどの生徒比であり、直近では25人ほどへ改善しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校における女性比率
最後にここでは小学校における生徒と教師に占める女性の比率の時系列推移を示しています。
1970年代前半では生徒に占める女児の比率は45%ほどであったのに対し、直近では50%近くまで拡大しています。
一方、教師については、1970年代初頭では女性の教師比率は25%ほどでしたが、直近では女性比率が50%近くまで上昇しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
さいごに
今回は赤道ギニアにおける小学校教育について見てきました。
今後は中等教育、高等学校についても扱う予定です。
なお、以下の記事では児童の労働について取り上げていますので、是非ご覧ください。