今回はコモロの中学校・高等学校教育(中等教育)に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
コモロの基本情報
コモロはアフリカ大陸とマダガスカルの間に位置する島国です。
コモロの人口は2016年時点で80万人とアフリカでは人口の少ない国です。
一方、人口密度は434人/km2とアフリカ平均40人/km2の10倍あり、アフリカでも3番目に人口密度の高い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,600ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度であり、アフリカでは比較的低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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中学校における生徒一人当たりの政府支出
以下の図はアフリカ諸国における中学生一人当たり政府支出額比率(対一人当たりGDP比)のランキングを表しています。
なお、国名横のカッコ内の数字はデータの当該年次を表してます。
また、参考として日本、米国、中国を併記しており、これらの国ではそれぞれ一人当たりGDPに対して24%、22%、11%相当の政府消費が中学生に支出されています。
一方、コモロにおいては中学生一人当たり政府支出額比率は8.5%と日米に比べると低く、アフリカ諸国においては44か国中40位と下位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
中学校の私立生徒比率
以下では中学校における私立学生の比率のアフリカ諸国におけるランキングを表しており、コモロは55%で53か国中6位となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
中学校における生徒-教師比率
次に生徒と教師の比率について扱います。
以下の図はアフリカ諸国の中学校における生徒と教師の比率を表しています。
なお、参考国である日本、米国、中国はおよそ教師1人につき11-15人程度の生徒となっています。
コモロについては、8.3人と参考国に比べても少なく、アフリカ諸国においては53国中最上位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
以下ではコモロの中学校における生徒と教師の比率の時系列の推移を表しています。
1980年代では教師一人当たり30人ほどの生徒比となっていましたが、直近では10人ほどへやや増加しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
中学校における女性比率
最後にここでは中学校における生徒と教師に占める女性の比率の時系列推移を示しています。
1970年代前半では生徒に占める女児の比率は25%程度であったのに対し、直近ではほぼ50%ほどまで拡大しています。
一方、教師については、1970年代では教師の40%ほどが女性でしたが、直近では20%以下まで減少しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
さいごに
今回はコモロにおける中学校教育について見てきました。
なお、小学校(初等教育)については同様の記事がありますので、ご覧ください。
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