今回はエチオピアの旅行関連のデータについて簡単に整理します。
エチオピアの基本情報
エチオピアは「アフリカの角」と呼ばれるソマリア半島に位置する東アフリカの国です。
エチオピアの人口は2016年時点で約1億人でアフリカでは2番目に人口の多い国です。
人口密度は92人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上の水準にあります。
一人あたりGDPは2016年時点で1,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
アフリカ諸国における外国人観光客数ランキング
以下は直近におけるアフリカ諸国における外国人観光客の受け入れ人数のランキングです。
出所:World Bank “World Development Indicators” 注:国名後のカッコ内はデータの利用年次を表す。
エチオピアはアフリカでは26番目の外国人観光客数です。2019年では80万人超が訪れています。
なお、アフリカでもっとも外国人観光客が多いのは南アフリカで2019年は1,500万人です。なお、日本は同年では3,200万人の外国人観光が訪れています。
エチオピアを訪れる外国人観光客数
以下は1995年から2018年におけるエチオピアを訪れる外国人観光客数を表します。
1995年では10万人でしたが、2016年には90万人を超えるほどまで増加しています。
出所:World Bank “World Development Indicators”
近年エチオピアは観光で注目されており、2015年には欧州観光貿易評議会(ECTT)が毎年発表している「世界最高の観光地」に選ばれています。
エチオピアの旅行によるサービス貿易収支
外国人観光客の旅行による消費は通常サービスの輸出として捉えられます。また、逆に自国民の海外旅行での消費はサービスの輸入として扱われます。
以下は、そのサービス輸出とサービス輸入のGDPにおけるシェアを表します。
(ただし、一部の年次はサービス輸入のデータが欠損しており、貿易収支を算定できていません。)
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
エチオピアは観光がもたらす経済への影響は大きく、1995年以降ではおよそGDPの2-5%程度を観光によるサービス輸出が占めています。
エチオピアの旅行者あたり消費額
上記のサービス貿易は旅行者全体の消費額を表すため、それを旅行客数で除することで旅行客一人当たりの消費額を試算することができます。
以下は、エチオピアを訪れる外国人観光客一人当たりの消費額(=旅行によるサービス輸出/外国人観光客数)の推移を表しています。
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
エチオピアを訪れる外国人観光客の一人当たり消費額は2005年では2,000ドル超ほどでしたが、その後の変動は大きいものの2018年には4,000ドル超に達しています。
さいごに
エチオピアの観光についてまとめると以下のとおりです。
- エチオピアを訪れる外国人観光客数は2019年では80万人
- 旅行によるサービス輸出はGDPのおよそ2-5%に相当
- 外国人観光客一人当たりの消費額はおよそ2,000ドルから4,000ドルに拡大
引き続き他の国についても調べていきます。