今回はカメルーンの中学校・高等学校教育(中等教育)に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
カメルーンの基本情報
カメルーンはナイジェリア、チャド、中央アフリカ共和国、コンゴ、赤道ギニア、ガボンに接する中央アフリカの国です。
カメルーンの人口は2016年時点で約2,400万人で、アフリカではやや人口の多い国です。
一方、一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度とアフリカではやや低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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中学校における生徒一人当たりの政府支出
以下の図はアフリカ諸国における中学生一人当たり政府支出額比率(対一人当たりGDP比)のランキングを表しています。
なお、国名横のカッコ内の数字はデータの当該年次を表してます。
また、参考として日本、米国、中国を併記しており、これらの国ではそれぞれ一人当たりGDPに対して24%、22%、11%相当の政府消費が中学生に支出されています。
一方、カメルーンにおいては中学生一人当たり政府支出額比率は17.8%と日米に比べると低く、アフリカ諸国においては44か国中20位と中位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
中学校入学率と私立生徒比率
ここでは、カメルーンにおける中学校の入学率と私立学生の比率について扱います。
以下のグラフはそれらの時系列推移を表しています。
入学率については中学校へ入学する年齢の児童に占める実際に入学した比率を表しており、1970年前半では10%以下であった入学率は直近では50%近くまで改善されています。
一方、私立学校に入学する生徒は2000年頃の30%ほどから変わっていません。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
なお、以下では中学校における私立学生の比率のアフリカ諸国におけるランキングを表しており、カメルーンは30.1%で53か国中15位となっています。
これは、日本と比べると高い比率となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
中学校における生徒-教師比率
次に生徒と教師の比率について扱います。
以下の図はアフリカ諸国の中学校における生徒と教師の比率を表しています。
なお、参考国である日本、米国、中国はおよそ教師1人につき11-15人程度の生徒となっています。
カメルーンについては、19.3人と参考国に比べて多くなっており、アフリカ諸国においては53国中20位と中位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
以下ではカメルーンの中学校における生徒と教師の比率の時系列の推移を表しています。
1970年代では教師一人当たり25人ほどの生徒比となっていましたが、直近では20人ほどへ改善しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
中学校における女性比率
最後にここでは中学校における生徒と教師に占める女性の比率の時系列推移を示しています。
1970年代前半では生徒に占める女児の比率は30%程度であったのに対し、直近ではほぼ45%ほどまで拡大しています。
一方、教師については、1970年代では教師の20%ほどが女性でしたが、直近では40%以下まで増加しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
さいごに
今回はカメルーンにおける中学校教育について見てきました。
なお、小学校(初等教育)については同様の記事がありますので、ご覧ください。
今回はカメルーンの小学校教育(初等教育)に関する経済データを整理します。 なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。[…]
また、以下の記事では児童の労働について取り上げていますので、是非ご覧ください。
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