今回はケニアの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
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ケニアの基本情報
ケニアはソマリア、エチオピア、ウガンダ、タンザニアを隣国にもつ東アフリカの国です。
ケニアの人口は2016年時点で約4,700万人とアフリカでは7番目に人口が多い国です。
人口密度は81人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍ほどです。
一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)
日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、ケニアは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは22番目の11%、平均関税率(単純平均)は16番目の13%とやや高い水準の関税率を設けています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)
日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、ケニアの無税率(金額ウェイト)は10番目の47%であり、免税率(品目換算)は15番目の38%とアフリカでは比較的高い非課税比率となっています。
出所:WTO Stat
2期間比較
輸入シェア
以下はケニアの2005年と2020年における輸入品目の金額構成を表しています。
2005年では13.石油類と21.輸送用機械の輸入が多く、これらで輸入全体の4割近くを占めていました。
2020年になると、13.石油類と21.輸送用機械のシェアは低下し、代わりに12.鉱業、14.化学品などを中心にシェアを増やしています。
出所:WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
ケニアの平均関税率は2006年では6%でしたが、2021年では11%と上昇していますが、輸入金額を用いた加重平均関税率においては13%と変わっていません。
各分類レベルで見ると、2006年時点でも関税率の高かった2.乳製品や7.砂糖などの一次産品は2021年ではさらに関税率を高めています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。
輸入額ベースでの全体で見れば、無税率は2005年から2020年で71%から47%へ低下しています。
個別の分類でみると、6.油糧種子、20.電気機械、17.衣料品は大幅に上昇させていますが、それ以外の1/3程度の分類は大幅に無税率を低下させています。
出所:WTO Stat
以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。
こちらについては無税率とは異なり、全体としての免税率は僅かに上昇しています。
個別に見ても、大幅に変化している分類はありませんが、1/3程度の分類は僅かですが免税率を上昇させています。
出所:WTO Stat
さいごに
今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
今回はケニアの産業構造を確認します。 ケニアの基本情報 ケニアはソマリア、エチオピア、ウガンダ、タンザニアを隣国にもつ東アフリカの国です。 ケニアの人口は2016年時点で約4,700[…]