今回はカメルーンの航空輸送と鉄道輸送に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
カメルーンの基本情報
カメルーンはナイジェリア、チャド、中央アフリカ共和国、コンゴ、赤道ギニア、ガボンに接する中央アフリカの国です。
カメルーンの人口は2016年時点で約2,400万人で、アフリカではやや人口の多い国です。
一方、一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度とアフリカではやや低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
航空輸送
ここでは、航空輸送のデータを扱います。
以下のグラフはアフリカ諸国における直近の国内線・国際線合計の航空便数のランキングを表しています。
(なお国名横のカッコ内の数字は参照しているデータの年次をさしています)
また、ここでは参考として日本、米国、中国のデータを並記しており、米国は800万便、中国は390万便、日本は直近では66万便となっています。
カメルーンは直近では約5000便であり、アフリカ諸国ではデータの利用できる52か国中20位となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024.
次に以下では航空貨物輸送(左図)と航空旅客輸送(右図)のランキングを示してます。
また、ここでも同様に日本、米国、中国を参考として並記しています。
カメルーンの航空貨物輸送は直近では2.6万トンkmでデータの利用できる53か国中40位、航空旅客輸送は18万人でデータの利用できる52か国中21位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024.
以下では上記で挙げた指標に関して、カメルーンにおける時系列の推移を表しています。
左図の航空便数については1970年では4000便ほどでしたが、2007年には1.2万便ほどまで増加していますが、その後は減少し、新コロナ禍では1000便ほどへ縮小しておりますが、直近では5000便ほどまで回復しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024.
右図の航空輸送について、貨物輸送は1970年では500万トンkmほどでしたがその後は上昇し、1980年代には5500万トンkmまで増加していますが、直近では2.6万トンkmほどまで低下しています。
一方、旅客輸送は1970年では10万人ほどから1980年代には70万人まで増加しますが、その後は減少へ転じ、直近では20万人ほどとなっています。
鉄道輸送
ここでは、鉄道輸送のデータを扱います。
以下のグラフはアフリカ諸国における直近の鉄道路線距離のランキングを表しています。
(なお国名横のカッコ内の数字は参照しているデータの年次をさしています)
また、ここでは参考として日本、米国、中国のデータを並記しており、米国は15万km、中国は11万km、日本は直近では2万kmとなっています。
カメルーンは直近では約900kmであり、アフリカ諸国ではデータの利用できる30か国中18位となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024.
次に以下では鉄道貨物輸送(左図)と鉄道旅客輸送(右図)のランキングを示してます。
また、ここでも同様に日本、米国、中国を参考として並記しています。
カメルーンの鉄道貨物輸送は直近では9億トンkmでデータの利用できる29か国中9位、鉄道旅客輸送は2.2億人kmでデータの利用できる27か国中9位といずれも比較的上位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024.
以下では上記で挙げた指標に関して、カメルーンにおける時系列の推移を表しています。
左図の鉄道路線距離については1995年から1割ほど減少しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024.
右図の鉄道輸送について、貨物輸送は2000年代前半では12億トンkmほどでしたが直近では9億トンkmへ減少してます。
一方、旅客輸送は1995年では4億人kmほどで、2011年には5億人kmほどまで増加していますが、その後は減少し、直近では2億人kmへ低下しています。
さいごに
今回はカメルーンにおける航空輸送と鉄道輸送について見てきました。
一方で、輸送費をはじめとした物価については以下の記事で取り上げていますので、よろしければご覧ください。
今回はカメルーンの為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)について整理します。 なお、物価水準の国際比較については、以下の記事なども参照ください。 [sitecard subtitle=関連記事 ur[…]