チャドのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はチャドのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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チャドの基本情報

チャドはリビア、ニジェール、ナイジェリア、カメルーン、中央アフリカ共和国、スーダンを隣国にもつアフリカ中部の国です。

チャドの人口は2016年時点で1,400万人とアフリカでは平均的な人口を有する国です。

人口密度は11人/km2とアフリカ平均40人/km2の1/4程度です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で2,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

一方、一方、ドル建てのGDPデフレータの変動は現地通貨建てのGDPデフレータとは異なった変動となっており、この期間での両者の相関係数は0.337と、あまり相間は見られません。

 

1981年と1994年には40%以上と高いインフレ率を経験していますが、それ以外の期間ではおおよそ20%以下で推移しています。

また、2000年以降になるとインフレ率は0-10%付近で落ち着いています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代のデータは推計精度が悪いのか、家計消費以外のデフレータはほぼ同値のインフレ率となっています。

1980年代は投資のデフレータは2桁成長となっていますが、それ以外は一桁成長であり、特に政府消費や輸出のデフレータは低成長となっています。

1990年代には投資とそれ以外の消費項目デフレータは近づき、5-7%程度に落ち着いています。

2000年代になると、それまで一貫して高いデフレータの成長率であった投資はマイナスに転じていますが。輸出を中心にデフレータは高い成長率であり、GDPデフレータは1990年代からあまり変わっていません。

2010年代になると、前期で高い成長率であった政府消費と輸出のデフレータはマイナスに転じており、GDPデフレータもマイナスとなっています。

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

産業デフレータに関しては、

1970年代は推計精度の問題か、いずれの産業も近似したデフレータ成長率となっています。

また、1980年代も似たような傾向は継続しますが、鉱業・電ガス水やその他サービスは他産業に比べて高い成長率となっています。

1990年代以降になると、デフレータがマイナス成長となる産業が出始め、1990年代には鉱業・電ガス水、2000年代には商業・レストラン・ホテル、2010年代には農林水産業、鉱業・電ガス水、建設業がマイナスとなっています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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