エチオピアのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はエチオピアのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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エチオピアの基本情報

エチオピアは「アフリカの角」と呼ばれるソマリア半島に位置する東アフリカの国です。

 

エチオピアの人口は2016年時点で約1億人でアフリカでは2番目に人口の多い国です。

人口密度は92人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上の水準にあります。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。ただし、GDPデフレータに関しては1990年以前はデータが利用できません。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

一方、ドル建てのGDPデフレータの変動は現地通貨建てのGDPデフレータとは異なった変動となっており、この期間での両者の相関係数は0.477とあまり相間は強くありません。

 

エチオピアの物価はおおよそ10%前後で大きく変動しながら推移しています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代および1980年代についてはデフレータのデータが利用できていません。

1990年代では投資や貿易を中心に高いデフレータ成長率となっており、GDPデフレータも8%程度となっています。

2000年代以降は家計消費や政府消費のデフレータの成長率が加速し、その結果GDPデフレータは2000年代は9%、2010年代には13%まで増加しています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

産業デフレータに関しても1970年代および1980年代はデータが利用できません。

1990年代は鉱業・電ガス水や製造業などを中心に高いデフレータ成長率となっています。

一方、2000年代になると農林水産業や商業・レストラン・ホテルのデフレータが2桁成長となり、さらに2010年代になるとほとんどの産業でデフレータが2桁成長と加速しています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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