モーリシャスのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はモーリシャスのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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モーリシャスの基本情報

モーリシャスはマダガスカルのさらに東に位置するインド洋に浮かぶ島国です。

モーリシャスの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは7番目に人口の少ない国です。

一方、人口密度は626人/km2でアフリカではもっとも人口密度の高い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で20,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4倍あり、アフリカでは4番目に高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

モーリシャスのデフレータとCPI

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

また、ドル建てのGDPデフレータの変動は現地通貨建てのGDPデフレータと類似した変動となっており、この期間での両者の相関係数は0.64とやや強い相間が見られます。

モーリシャスは1968年に独立した影響によるものか、1970年代では物価変動が大きく一時は40%超のインフレとなるときもありましたが、1980年以降は徐々に減速し、2010年以降はインフレがほぼ0%変動となっています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

モーリシャスの最終需要デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代は、家計消費と輸入が特に高いデフレータ変化率となっていましたが、1980年代になるとこれらのデフレータは相対的に低い変化率へ転じており、一国全体のデフレータ変化率自体も前期から半減しています。

1990年代では1980年代に続き政府消費のデフレータが高くなっていますが、2000年代では政府消費のデフレータは平均程度に収まり、代わりに特に投資のデフレータが上昇しています。

しかし、2010年代になると、投資のデフレータは唯一のマイナス変化へ転じており、全体のデフレータ自体も1.7%と非常に低いインフレとなっています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

モーリシャスの産業デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

産業デフレータに関して、

1970年代では製造業、建設業、商業・レストラン・ホテルなどの産業のデフレータが高い一方で、1980年代になるとこれらの産業のデフレータは平均程度まで減速し、農林水産業がもっとも高いデフレータ変化率となっています。

1990年代では一転して農林水産業のデフレータは減速し、商業・レストラン・ホテルやその他サービスなどのサービス産業のデフレータが高まっています。

しかし、2000年代ではサービス業のデフレータは減速し、鉱業・電ガス水が10%近いデフレータ変化率となっています。

2010年代になると、前期で唯一マイナスデフレータであった運輸・通信は引き続きマイナスデフレータを継続しており、GDPデフレータ自体も1.7%まで減速しています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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