今回はエチオピアの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
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エチオピアの基本情報
エチオピアは「アフリカの角」と呼ばれるソマリア半島に位置する東アフリカの国です。
エチオピアの人口は2016年時点で約1億人でアフリカでは2番目に人口の多い国です。
人口密度は92人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上の水準にあります。
一人あたりGDPは2016年時点で1,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)
日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、エチオピアは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは20番目の12%、平均関税率(単純平均)は12番目の17%とやや高い関税率を設けています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)
日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、エチオピアの無税率(金額ウェイト)は21番目に高い22%であり、免税率(品目換算)は22番目に高い7%とアフリカでは平均的な非課税比率となっています。
出所:WTO Stat
2期間比較
輸入シェア
以下はエチオピアの2006年と2021年における輸入品目の金額構成を表しています。
輸入がもっとも多いのは過去も直近も12.鉱物・金属であり、2006年からは3ポイントほどシェアが縮小しています。また、19.非電化機械、21.輸送機械などの機械類についてもシェアは縮小しています。
一方、14.化学品についてはシェアが拡大しています。
出所:WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
エチオピアの平均関税率は2006年も2021年も17%と横ばいですが、輸入金額を用いて加重平均関税率は11%から12%へわずかに上昇しています。
各分類レベルでは、17.衣料や8.飲料を中心に食料品や軽工業品に対して20~30%ほどの関税率を設けており、また2006年から2021年にかけてその関税率も上昇しています。
また、輸入シェアが高い12.鉱物・金属や14.化学品については10%台前半と相対的に低めの関税率となっています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。
全体で見れば、無税率は2006年から2021年で21%から22%へわずかに上昇しています。
輸入金額ベースで見ると、13.石油類はほぼ無税であり、また6.油糧種子については8割ほど無税とだが、その他の分類については課税対象が大半となっています。
出所:WTO Stat
以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。
こちらについても無税率同様に、全体としての免税率は3%から7%へやや上昇しています。
品目ベースでは、13.石油類は6割のほど、21.輸送機械は3割ほどの品目で非課税となっている一方で、他の品目についてはほとんどの品目において課税対象となっています。
出所:WTO Stat
さいごに
今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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