レソトの関税率

今回はレソトの関税率について整理します。

関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。

 

なお、貿易について以下の記事を参照ください。

関連記事

今回はレソトの貿易について整理します。 なお関税率については以下の記事を参照ください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai.com/tariff_lesotho/ […]

 

レソトの基本情報

レソトは南アフリカに囲まれた内陸国です。

レソトの人口は2016年時点で約220万人とアフリカでは人口の少ない国です。また人口密度は71人/km2とアフリカ平均の40人/km2の1.5倍ほどの密度です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で2,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルの半分程度となっています。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

関連記事

こんにちは、KOMEです。 1回目の投稿ではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。   アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると20[…]

また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

関連記事

今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。   GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]

 

国際比較ランキング

関税率

以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。

(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)

 

日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。

その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。

 

一方、レソトは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは18番目の12%と中位であるのに対し、平均関税率(単純平均)は49番目の8%と低い関税率を設けています。

アフリカ諸国の関税率

出所:WTO Stat

 

無税率・免税率

以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。

(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)

 

日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。

 

一方、レソトの無税率(金額ウェイト)は19番目の33%であり、免税率(品目換算)は6番目の60%とアフリカでは比較的高い非課税比率となっています。

アフリカ諸国の無税率・免税率

出所:WTO Stat

2期間比較

輸入シェア

以下はレソトの2012年と2020年における輸入品目の金額構成を表しています。

2012年から2020年では16.繊維製品、13.石油類、11.魚介類は輸入シェアを大幅に上昇させたのに対し、14.化学品、12.鉱物、21.輸送用機械、15.木材は大幅にシェアを低下させています。

レソトの輸入シェア

出所:WTO Stat

関税率

以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。

レソトの平均関税率は2006年では12%であり、2021年においてもその水準は変わっていません。

同様に、輸入金額を用いた加重平均関税率においても8%から変わっていません。

 

各分類レベルで見ると、ほとんど分類の関税率は変わっていませんが一部例外があり、7.砂糖は関税を大幅に上昇している一方で、2.乳製品は大幅に関税率を落としてます。

レソトの関税率

出所:WTO Stat

無税率・免税率

以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。

輸入額ベースでの全体で見れば、無税率は2012年から2020年で34%から33%へ僅かに低下しています。

個別の分類でみると10.その他の農産品、22.その他の農産物製造品、14.化学品などは無税率が上がっているのに対し、20.電気機械、7.砂糖、4.コーヒー、11.魚介類などは大幅に無税率を下げています。レソトの無税率

出所:WTO Stat

 

以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。

こちらについては無税率とは異なり、全体としての免税率は僅かに上昇しています。

個別に見ると11.魚介類、13.石油類などは免税率を下げている一方で、15.木材などは免税率を上昇させています。

レソトの免税率

出所:WTO Stat

 

さいごに

今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。

なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事

今回はレソトの産業構造を確認します。   レソトの基本情報 レソトは南アフリカに囲まれた内陸国です。 レソトの人口は2016年時点で約220万人とアフリカでは人口の少ない国です。また人口密度は71人/km2[…]

最新情報をチェックしよう!