チュニジアの水道と電気事情

今回はチュニジアの水道と電気に関する経済データを整理します。

なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。

 

チュニジアの基本情報

チュニジアはアルジェリアとリビアの間に位置する北アフリカの国です。

 

チュニジアの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は70人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍近いです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で11,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上とアフリカでは比較的裕福な国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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水道事情

ここでは、アフリカ諸国の取水量のデータを扱います。

以下は、一人あたり年間取水量のランキング(左図)と、その取水用途の構成(右図)を表しています。

 

なお、ここでは参考として日本、米国、中国も併記しており、例えば日本では一人あたり年間取水量は621立法メートル、その内訳は7割ほどは農業用途、1割ほどは工業用、2割ほどが生活用他となっています。

 

チュニジアにおいては、一人あたり年間取水量は318立法メートルでアフリカ諸国では8番目に多く、その内訳は8割ほどは農業用途、2割ほどが生活用他となっています。

取水量ランキング

出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024. 

 

以下は、チュニジアの取水量とその構成の推移とを表しています。

1975年では国全体の取水量は10億立法メートルほどでしたが、直近では40億立法メートルほどまで増加しています。

また、一人当たり取水量で見れば、同期間では180立法メートルから320立法メートルまで増加しています。

チュニジアの取水量

出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024. 

 

取水の用途については、1990年以降では農業用途が9割ほどから8割ほど、生活用等が1割から2割ほどに変化しています。

 

電気事情

ここでは、アフリカ諸国の電力事情についてデータで整理します。

以下は、電力アクセス率のランキング(左図)を表しており、中図では都市部での電力アクセス率、右図では非都市部での電力アクセス率を示しています。

 

同様に、ここでも参考として日本、米国、中国も併記していますが、いずれの国も今では電力アクセス率は100%となっています。

 

チュニジア一国の電力アクセス率は100%であり、都市部および非都市部においても100%となっています。

電力アクセス率

出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024. 

 

次に以下では一人当たり電力消費量とその電源構成を表しています。

チュニジアにおいては一人当たり電力消費量は1,408kWhで日本と比べると一人当たり消費量は1/5程度となっており、データの確認できるアフリカ諸国30カ国中7位となっています。

また、電源構成については石炭が5%、天然ガスが90%と大部分が化石燃料となっており、残りはその他となっています。

電力消費量

出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024. 

 

以下はチュニジアの電力アクセス率と一人当たり電力消費量の推移を表しています。

1995年時点での電力アクセス率は一国全体では90%ほど、都市部では100%、非都市部では60%ほどでしたが、2005年には非都市部においてもほぼ100%となっています。

 

次に一人当たり電力消費量は1970年代前半では200kWhでしが、直近では1,400kWhまで増加しています。

なお、この一人当たり消費量は日本の1970年以前の水準に相当しています。

チュニジアの電力消費量

出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024. 

 

以下はチュニジアの電源構成の推移を表しています。

1970年代前半では石油が9割、水力が1割ほどでしたが、直近では石炭が9割にまで拡大しています。

チュニジアの電源構成

出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024. 

なお、以下の記事では電力だけでなく、エネルギー消費量やCO2排出量について取り上げていますので、宜しければご覧ください。

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さいごに

今回はチュニジアにおける水道・電気の消費量について見てきました。

 

一方で、水道光熱費をはじめとした物価については以下の記事で取り上げていますので、よろしければご覧ください。

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