モーリタニアのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はモーリタニアのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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モーリタニアの基本情報

モーリタニアは西サハラ、アルジェリア、マリ、セネガルを隣国にもつ大西洋に接する西アフリカの国です。

モーリタニアの人口は2016年時点で420万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。

一方、人口密度は4人/km2とアフリカ平均40人/km2と1/10の水準であり、アフリカでは4番目に人口密度の低い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で4,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの8割程度の国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

モーリタニアのデフレータとCPI

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。(なおCPIについては1986年以前のデータは公表されていません。)

また、ドル建てのGDPデフレータの変動は現地通貨建てのGDPデフレータと類似した変動となっており、この期間での両者の相関係数は0.62とやや強い相間が見られます。

モーリタニアの物価変動は1980年代後半から2000年にかけて比較的5%程度で安定している時期もありましたが、1970年代や2000年以降は物価が大きく変動しています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

モーリタニアの最終需要デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代では、家計消費を除くすべての消費項目で同一のデフレータ変動となっており、推計精度に課題があると思われます。

また、1980年においてはさらに家計消費も含めたすべての消費項目が同値となっているため、引き続き推計精度に課題が見られます。

1990年代になると、その傾向は改善されているものの、各消費項目のデフレータは6%程度と似た水準となっています。

2000年代では投資や輸出のデフレータは2桁成長となるの対し、その他の消費項目は6%程度となっており、デフレータにばらつきが生じつつあります。

さらに、2010年代では各消費項目のデフレータにはばらつきがみられるようになったものの、全体のデフレータ変化率は3%程度に収まってきたことから、そのバラツキは0~5%程度に収まっています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

モーリタニアの産業デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

産業デフレータに関して、1970年代では農林水産業とその他サービス以外はほぼ同水準のデフレータ変化率となっており、最終消費デフレータと同様に推計精度に課題が見られます。

しかし、1980年代以降は産業ごとに異なるデフレータであることから、1970年代の推計からは改善しているように思われます。

1980年代には製造業と商業・レストラン・ホテルにおいて高いデフレータ変化率となっており、その傾向は1990年代においても継続しています。

しかし、2000年代にはこれらの産業のデフレータは減速し、鉱業・電ガス水と建設業が著しく高いデフレータ変化率となります。

その後の、2010年代では建設業の高いデフレータ変化率は継続しますが、鉱業・電ガス水は減速し、さらに製造業や運輸・通信のデフレータがマイナスに転じたことで、GDPデフレータは3%程度まで低下しています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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