今回はスーダンの為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)について整理します。
なお、物価水準の国際比較については、以下の記事なども参照ください。
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今回はアフリカ諸国の家具・住宅設備の物価と通信の物価についてです。 アフリカ諸国の家具・住宅設備および通信の物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国の家具・住宅設備および[…]
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スーダンの基本情報
スーダンはリビア、エジプト、チャド、南スーダン、中央アフリカ共和国、エチオピア、エリトリアを隣国にもつ北アフリカの国です。
スーダンの人口は2016年時点で約4,100万人とアフリカで8番目に人口の多い国です。
一方、人口密度は22人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で4,300ドルとアフリカ平均の5,000ドルの9割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
為替レート
以下は対米ドルに対する為替レートの推移を示しています。
為替レートに関しては、1960年では1ドル=0.00035スーダン・ポンドであり、1975年までは比較的安定して推移してきましたが、その後は急激に通貨安となり、2017年には1ドル=6.7スーダン・ポンドとなり、2021年にはさらに1ドル=54.0スーダン・ポンド程度となっています。
(なお、スーダンについては他国と異なり実質実効為替レートのデータは公表されていません。)
出所:World Development Indicators, December 2022.
物価水準ランキング(GDP物価水準と家計消費物価水準)
次に1990年以降における物価水準について確認します。
以下は、GDP(家計消費、政府消費、投資、貿易の合計)の物価水準を表します。
米国の物価水準を基準(1.0)とすると、日本の物価は0.91とやや安くなっています。
一方、スーダンは0.41であり、アフリカ諸国においては23番目に位置しており、アフリカでは平均的な物価水準となっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
次に、一般家計に関係する家計消費の物価水準のランキングを見ると、日本は米国よりも2%ほど高い物価と言えます。
一方、スーダンは0.58とGDPの物価水準に比べると高い水準となっており、アフリカ諸国での順位も3番目と上昇しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
物価水準の推移
次に物価水準の推移を確認します。
物価水準については基本的には米ドルなどを用いて共通通貨により評価をおこなうため、為替レートの影響を直接的にうけます。
そのため短期的に変動の大きい為替レートの影響を考慮して時系列でデータを見る必要もあります。
以下のグラフは、GDPの物価水準と家計消費の物価水準の推移を表しています。
GDPの物価水準は1990年では0.8程度でしたが、1992年には急落し、0.2程度まで低下しています。
その後は徐々に上昇し、2017年には0.7程度まで上昇しますが、その後は再度下落し、直近では0.4程度に落ち着いてます。
また、家計消費の物価水準についても同様の推移をしており、1990年では0.9ほどでしたが、直近では0.6程度となっています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPの物価水準の内訳を見ると、2017年時点ではGDPの物価水準が0.23に対して、家計消費は0.27、政府消費は0.08、総資本形成(投資+在庫)は0.34、貿易は1.01となっています。
総資本形成の内訳では、国内で機械・設備の投資財の製造が難しいことから輸入に頼るケースが多く、その結果非常に高い物価水準となる一方で、建設については国内労働者の低賃金を反映して安い物価水準となっています。
出所:ICP2017.
次に商品別の物価水準を見ると、食料品は他の商品に比べて価格が高く、特に牛乳・チーズ、油脂類、フルーツは比較的高価となっています。
さらに、国内で生産が難しい自動車についても米国に比べて非常に高くなっています。
上記で挙げた財以外についてはおおよそ0.1-0.3と他のアフリカ諸国に比べても低い水準となっています。
特に、水道光熱費、教育、医療などの社会インフラは非常に安価となっています。
出所:ICP2017.
さいごに
今回は為替レートと物価水準に関して、過去のデータを整理しました。
一方で、国内物価の変動自体については、CPIおよびデフレータについて取り上げている以下の記事を参照ください。