今回はエジプトのCPIおよびデフレータについて整理します。
なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。
物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。
今回はアフリカ各国の物価の違いについて整理します。 国際間の物価の違いを表す経済データとして、購買力平価(PPP)というものがあります。今回はこのPPPを用います。 購買力平価(PPP)とは 総務省によると ※ 購買力平価(Pu[…]
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今回はアフリカの住居費・光熱水費の物価についてです。 データの制約上、住居費と光熱水費をまとめた平均物価となります。 アフリカ各国の住居費・光熱水費の物価ランキング 早速ですが以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017[…]
今回はアフリカ諸国のアパレルの物価についてです。 利用するデータは輸入品と国産品の平均物価の比較です。 アフリカ諸国のアパレルの物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国のアパレルの物価[…]
今回はアフリカ諸国の家具・住宅設備の物価と通信の物価についてです。 アフリカ諸国の家具・住宅設備および通信の物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国の家具・住宅設備および[…]
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エジプトの基本情報
エジプトの人口は2016年時点で
約9,300万人とアフリカでは3番目に人口の多い国です。
人口密度は93人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上です。
一人あたりGDPは2016年時点で12,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ
以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。
なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。
GDPデフレータとCPIの成長率
出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates) and World Bank (WDI)
時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。
一方、ドル建てのGDPデフレータの変動は激しく、現地通貨建てのGDPデフレータとは変動も異なっており、この期間での両者の相関係数は-0.07であり、ほぼ相間があるとは言えません。
エジプトでは1970年代前半や1990年代後半にはマイナス成長率となる時期もあり、この時期は低い成長率となっていますが、
その期間以外のデフレータはおおよそ10-15%程の成長率となっています。
最終消費支出デフレータ
GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。
ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。
最終消費支出項目別デフレータ
出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates) and World Bank (WDI)
1970年代では輸出・輸入ともに13%と高いデフレータの成長率となっている一方で、政府消費は5%程度に留まっています。
1980年代には、貿易だけでなく他の消費も10%以上と高い物価の成長率となっています。
1990年代には家計消費が最も高い成長率となる一方で、投資はマイナス成長となっています。
2000年代には、いずれの消費も8-9%と高い成長率となっています。
2010年代も、2000年代に続きすべての消費項目で10%以上と高い成長率となっています。
産業別GDPデフレータ
次に、生産のGDPデフレータについてです。
以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。
産業別GDPデフレータ
出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)
1970年代は鉱業・電ガス水や建設業のデフレータが最も高い一方で、サービス業は全般的に低い成長率となっています。
一方、1980年代には鉱業・電ガス水の成長率が低くなる一方で、前期間で低い成長率であったサービス業は10%以上となっています。
1990年代および2000年代には再び鉱業・電ガス水の成長率は高まり、2010年代にはすべての産業で10%以上の高い成長に繋がります。
なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。
今回はエジプトの産業構造を確認します。 エジプトの貿易構造と人口構成についてはこちらをご覧ください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai.com[…]
さいごに
今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。
普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。
過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。