マダガスカルのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はマダガスカルのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

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マダガスカルの基本情報

マダガスカルはアフリカ南東部沖に浮かぶ島国です。位置については地図のとおりです。

アフリカ大陸に比べると小さく見えますが、日本の1.6倍の国土を持つ大きい国です。

 

マダガスカルの人口は2016年時点で約2,500万人で、アフリカでは比較的人口の多い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度とアフリカでも低位の国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

一方、ドル建てのGDPデフレータの変動は現地通貨建てのGDPデフレータとは異なる変動となっており、この期間での両者の相関係数は-0.037とほぼ相間は見られません。

なお、マダガスカルの物価変動は特に1980年代から1990年代前半で変動幅が大きく、最大年率40%近くの時期も経験していますが、直近では5%程度まで減少しています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

マダガスカルの消費項目別のデフレータは比較的変動が等しく、

1970年代は家計消費、投資、輸入では2桁のデフレータ成長率であるの対し、政府消費や輸出は7%程度であったため、全体では9%ほどとなっています。

しかし、1980年代および1990年代に関してはすべての消費項目で10%以上のデフレータ成長率となっており、全体としても15%以上とインフレ率は加速しています。

2000年代になると政府消費を除き各消費項目のデフレータは10%以下まで減速しており、さらに2010年代になると政府消費以外の消費項目はさらに減速し、GDPデフレータは1990年代の16%から2000年代、2010年代はそれぞれ10%、7%と徐々に低下しています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

産業別GDPデフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

1970年代から1990年代の産業デフレータについては、精度があまり良くないためか

1970年代では農林水産業以外はほぼ8%程度で横並びとなっており、さらに1980年代では農林水産業とその他のサービス以外の産業はほぼ18%、1990年代では鉱業・電ガス水以外はほぼ15%で横並びとなっています。

2000年代および2010年代では鉱業・電ガス水のみ著しくデフレータが低い一方で、製造業やその他サービスのデフレータは比較的高い成長率となっています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

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さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

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