モロッコのCPI(消費者物価指数)と物価データ(デフレータ)

今回はモロッコのCPIおよびデフレータについて整理します。

なお、ここでは国内での物価の成長率について取り上げます。

物価水準の国際比較については、以下の記事などを参照ください。

関連記事

今回はアフリカ各国の物価の違いについて整理します。 国際間の物価の違いを表す経済データとして、購買力平価(PPP)というものがあります。今回はこのPPPを用います。 購買力平価(PPP)とは 総務省によると ※ 購買力平価(Pu[…]

関連記事

今回は旅行する際に気になる、レストラン・ホテルの物価についてです。   アフリカ各国のレストラン・ホテルの物価について ここでは、データの制約上レストランとホテルをまとめた物価を紹介します。 早速ですが以下は、日本[…]

関連記事

今回は食料品の物価についてです。 なおレストラン(ホテル含む)の物価についてはこちらをご覧ください。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai.com/2017icp_hotel[…]

関連記事

今回はアフリカ諸国の自動車の物価についてです。 アフリカ諸国の自動車の物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国における自動車の物価指数(PLI)ランキングです。 (ここで用いる物価デー[…]

関連記事

今回はアフリカの住居費・光熱水費の物価についてです。 データの制約上、住居費と光熱水費をまとめた平均物価となります。 アフリカ各国の住居費・光熱水費の物価ランキング 早速ですが以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017[…]

関連記事

今回はアフリカ諸国のアパレルの物価についてです。 利用するデータは輸入品と国産品の平均物価の比較です。 アフリカ諸国のアパレルの物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国のアパレルの物価[…]

関連記事

今回はアフリカ諸国の家具・住宅設備の物価と通信の物価についてです。   アフリカ諸国の家具・住宅設備および通信の物価ランキング 以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国の家具・住宅設備および[…]

関連記事

今回はアフリカの飲み物の物価についてです。 以前食料品の物価についてもまとめていますので、宜しければそちらもご覧ください。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai.com/20[…]

関連記事

今回はアフリカ諸国の医療費の物価についてです。   (ただし、医療費については、①国により政府と家計の負担率が異なる、②医療行為ごとの品質が異なることから価格の比較がそもそも難しい、などから物価比較が困難な代表的なサー[…]

 

モロッコの基本情報

モロッコは地中海に接する北アフリカの国です。

モロッコの人口は2016年時点で約3,500万人とアフリカでは11番目に人口が多い国です。

人口密度は78人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍程度です。

一人あたりGDPは2016年時点で8,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1.6倍程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

関連記事

ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。   アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]

また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

関連記事

今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。   GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]

 

CPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ

以下は1970-2020年までのCPI(消費者物価指数)とGDPデフレータ(現地通貨建てとドル建て)の成長率の推移です。

なお、GDPデフレータとはGDPの物価変動を示し、名目GDP÷実質GDPにより算定できます。

 

GDPデフレータとCPIの成長率

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

時系列ではCPIと現地通貨建てのGDPデフレータはほぼ近似した推移となっています。

一方、ドル建てのGDPデフレータの変動は激しく、現地通貨建てのGDPデフレータとは変動も異なっており、この期間での両者の相関係数は0.33であり、あまり相間があるとは言えません。

 

モロッコでは石油危機時に20%以上のインフレを経験しますが、それを除けば1970-1985年ではおおよそ10%程度、1985-2010年では0-5%程度、2010年代以降は0%の物価上昇となっています。

 

最終消費支出デフレータ

GDPには消費、生産、分配の三種類のGDPがあり、これらが等しくなる性質を三面等価性と言います。

ここでは、そのうちの消費(最終消費)のGDPの内訳である、家計消費、政府消費、投資、輸出、輸入のデフレータについて10年間の平均をグラフ化したものが以下となります。

 

最終消費支出項目別デフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)  and World Bank (WDI)

 

1970年代では輸入が12%と高いデフレータの成長率となっている一方で、それ以外はおおよそ8%程度に留まっています。

1980年代には、家計消費や政府消費が5%前後と投資や貿易に比べると低くなっています。

1990年代および2000年代には物価上昇が落ちつき、いずれの項目も1-3%程度に留まっています。

2010年代にはCPIはプラス成長となっている一方で、すべての項目のデフレータはマイナス成長となっています。

 

産業別GDPデフレータ

次に、生産のGDPデフレータについてです。

以下は10年平均ごとの産業別デフレータを示します。

 

産業別GDPデフレータ

出所:UN (National Accounts – Analysis of Main Aggregates)

 

1970年代は商業・レストラン・ホテルを除くすべての産業でおおよそ8%以上のデフレータの上昇となっています。

1980年代にもその傾向は続き、すべての産業で6-8%の上昇となっています。

1990年代および2000年代にはデフレータの上昇は低くなり、特に運輸・通信はどちらの10年間においてもマイナス成長となっています。

2010年代はデフレータがマイナスとなる産業が半分以上となり、全体としても0%成長となっています。

 

なお、産業別の(実質)GDP成長率については、以下の記事を参照ください。

関連記事

今回はモロッコの産業構造を確認します。   モロッコの基本情報 モロッコは地中海に接する北アフリカの国です。   モロッコの人口は2016年時点で約3,500万人とアフリカでは11番目に人口[…]

 

さいごに

今回は物価(消費者物価指数・GDPデフレータ)に関して、過去のデータを整理しました。

普段物価を除いた実質GDPをニュースなどで目にすることが多いですが、物価については生活体験の中で感じる人も多いと思います。

過去の水準を知ることで、現在の水準を知って頂けると幸いです。

最新情報をチェックしよう!